暗くてなんぼ

引きこもりや鬱病を経験しても、人生なんとかなるという思いを込めて書きたいと思います。

助けを求めよう

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20年ほど前のことだが、自殺する寸前まで行ったことがあった。

 

その頃私は、同じIT企業で働く同僚Eと、半同棲のような状態だった。熱々ではあったが、浮き沈みの激しい関係で、夜は眠れず気分も沈みがちだった(仕事はきちんとやっていた)。

 

今から考えれば、単に”相性”が悪かったのだろう。お互いの悪い部分を引き出してしまう関係で、Eは私にとってアビューシブになっていた。IQが非常に高く、優秀なエンジニアのEを 私は密かに崇め奉っており、羊のように付き従うばかり。心の中で「何か違う。彼が間違っている」と思うことがあっても、彼のなすがまま、言うがままになっていた。反論すると彼の機嫌を損ねるし、結局は言い負かされるという諦めもあったが、実は「嵐」の後に示される彼の優しさに、心身ともにマゾ的快感を覚えていたのだ(お、お恥ずかしい...)。

 

彼と付き合い出してから一年後、私は次第に「死にたい」と思うようになっていった。「この関係の頂点で死んでしまいたい」という気持ち、そして「自分は宇宙のゴミのような存在であり、生きる価値がない」という気持ちが半々だった(病的!)。

 

死にたいという気持ちは「強迫観念」のようなもので、それに取り憑かれると、それ以外何も目に入らなくなってしまう。私は来る日も来る日も、自殺の方法をあれこれ検索し、窒息用のビニール袋を買ったり、睡眠薬を溜め込んだり、首吊り用のロープの販売先を探した。遺書の下書きをしたり、はたまた遺灰を入れるための壺の販売サイトまで覗いていた(完全に病気だ!)。

 

ベッドの中で、隣で眠るEの寝息を聞きながら「今夜こそ、庭のあの木で首を吊ろう」と考えたことも一度や二度ではない。恐ろしことにその頃は、毎日自分の自殺場面を頭にありありと描いていたりもした。(あー、本当に病気!)

 

そう、今この瞬間、死にたいと毎日毎日グルグル考えている人...貴方は病気だ。そして多くの場合、それは鬱病だ。寝ても覚めても死ぬことばかり考えている。具体的な方法を検索している。他の何物も目に入らず、ただただ「苦しい。ここから消えてしまいたい」とか「自分は全く価値がない人間だ」とか「私なんかいない方がいいのだ」とかグルグル考えている。もしこんな状態にあるとしたら、すぐに、この瞬間に(こんなブログを読んでいないで)助けを求めよう。なぜなら貴方は「病気のためにそれしか考えられない状態」に陥っているからだ。

 

「死にたい」とか「苦しい」と親や家族、友人やネットで呟くのではなく、「病院に連れて行って欲しい」と声を上げよう。そうでないと、周りの健康な人々は慌てふためいて「そんなこと言わないで」と、まず慰めにかかるからだ。それで気が済むのならそれに越したことはないが、貴方がもう具体的に自殺(自死とはあえて言わない。恐慌状態で自分を殺しにかかっているので)の方法を思い描いて行動し始めている状態なら、事は急を要す。

 

再度申し上げるが、事は急を要するのだ。例えるなら、飛び降り自殺志願者が、ビルの屋上をうろついている状態ではなく、柵にを手をかけているとか、柵を超えて縁に立っているようなものだからだ。何かの拍子に、貴方はその一線を超えてしまう可能性がある。

 

とにかく病院に行こう。精神科があるところならいいが、心療内科でも神経科でもとにかく専門家・医師のいるところまでたどり着こう。「死にたくて具体的な準備をしている」と言えば、必ず何か手をうってくれるはずだ(それが医療者の義務でもある。そのままだと自らや他者に危害を加える可能性の高い人を保護する事は、法律に基づく行為だ。)

 

私は「このままでは私は自殺する」と悟った時、病院に行った。医師は私の話を聞いてすぐに「緊急措置入院」を決めた。私は「仕事があるからそれは...」などと寝ぼけたことを言っていたが、看護師が私の荷物を全部取り上げ、問答無用で閉鎖病棟に連れて行ったのだった(これには当の私もびっくりした)。

 

「カッコーの巣の上で」という映画にも似た入院経験は、別の機会に書くこととして、結論から言えば、この決断のおかげで、私は今でも生きている。そしてこの文章を書いている。そしてあの時の決断は良かった、と思っている。

 

しつこいようだが、声を大にして言いたいのは次の通り:もし貴方が今、死ぬことばかり考えているのなら、すぐ誰かに助けを求めよう。そして病院に行こう。なぜなら、貴方は病気だから。病気のせいで正常な思考ができていないから。病気のせいで、一時の激情にかられた行動を取りそうになっているから。

これも何かの縁だと思う。お願いだから、助けを求めてほしい。