暗くてなんぼ

引きこもりや鬱病を経験しても、人生なんとかなるという思いを込めて書きたいと思います。

引っ掻く・剥がす

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中学3年生頃から高校生の半ばまで、いつも首に湿疹ができていた。というより、原因不明の痒みで首を掻き毟(むし)って、いつも赤く爛れていたのだ。

皮膚科に行くと、アトピー性皮膚炎を疑われステロイド外用薬を処方されたが、それをつけても良くならなかった。

 

ストレスがあると無意識に首を掻いてしまい、掻き出すと余計痒くなって、また掻き毟るという悪循環。家族から「掻いちゃだめ。ひどくなるよ」と言われて、我慢しようと努力したがだめだった。

 

そのうち担任の先生からも「Kさんの首、どうしたんですか?何かの皮膚病なんですか」と怪訝な顔をされ、本当に恥ずかしかった(「伝染性」かどうかを気にしているようだった。)

 

どうやっても治らなかった「湿疹」も、高校を卒業した途端パタッと治ってしまった。単に「無精に痒くなる」ことが少なくなったからだ。それ以来、目立つような皮膚の異常はなくなったが、今でもストレスがあると、瘡蓋をはがしてしまったり、吹き出物を無理やり潰したりしてしまう。

 

夫や母に注意されるので、気をつけるようにしているのだが、ついついやってしまうのだ。もしかしたら遺伝的な要素があるのかもしれない。思えば、父は耳かきが大好きで、しょっちゅう血がでるまで耳をかいていた。姉も、成人してからストレス性の湿疹で手足をかき壊していた時期があった。

 

唯一この問題のない母は「掻くのを我慢したら?」と明るく言うのだが、それは不眠症の人に「もっと寝るようにしたら?」とか過食症の人に「食べなければいいのに」と言うようなものだ。母は、自分を醜くしてまでもやってしまうあの「禁断の快感(?)と後悔」を知らないのだ。

 

痒みは痛みの亜種だという研究者もいる。リストカットなどと同様に掻破(掻くこと)も、自己破壊的な行為で、快感と精神の安定をもたらす”異常”行動なのかもしれない。

 

本当は「掻きむしりたい!」と思ったと同時に、輪ゴムで自分の腕をパチンと弾くとか、数を数える、水を飲みに行く等、気を外らせることをするのがいいのだろう。それはわかっている、重々わかっているのだが...。