暗くてなんぼ

引きこもりや鬱病を経験しても、人生なんとかなるという思いを込めて書きたいと思います。

美容整形について(1)

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美容


最初に告白してしまおう。私は美容整形の経験者だ。鼻尖形成(びせんけいせい)と太腿の脂肪吸引をやったことがある。鼻尖形成とは、鼻先の軟骨を縫い合わせて尖らる施術で、脂肪吸引はその名の通りである。

私は小さい頃から鼻の穴がまん丸なことと、足が太いことが大きなコンプレックスだった。二重のぱっちりした目で、赤ちゃんの頃から可愛いと言われてきたのだが(勿論お世辞もあるだろう)、自分的には鼻だけが「残念」だったのだ。母はすっとした鼻、父も大きいが通った鼻であり、私も二人に似て鼻梁だけは高めだった。だから幼児の頃から鏡を見ては、鼻をつまんで「あーあこうだったらいいのにな」と思っていた。(洗濯バサミをつけたこともあったが、痛いだけだった。笑)

足が太いのは母譲りだ。小1からバレエを習っていたのに、これは決定的ハンディだった。バレエのおかげで筋肉質ではあったが、その太さ故についたあだ名の一つが「大(根)子ちゃん」(泣)。小学校卒業時のサイン帳に「中学に行っても元気でね!」という文字の横に大きな大根が描かれていたことを今でも悲しく思い出す。

ということで、思春期を過ぎた頃から「鼻を整形したい」と密かに思い、高校卒業時に老舗と呼ばれる大手美容外科で実行した。幸い私の悩みを知る母は理解があり、それを許してくれた。韓国ではないが、母のカンパを受けて私はプロテーゼを入れる施術を受けた。鼻先は整ったものの、元から低くはなかった鼻はやや不自然な高さとなり、のちのち後悔することになった。見る人が見れば判ってしまう「おでこから生えた」鼻だったと思う。

プロテーゼが触ると動くようになったのと後悔が募り、お金を貯めて30代で再手術をした。プロテーゼの抜去と鼻尖形成である。当時で50万円弱掛った。リサーチにリサーチを重ね、鼻尖が上手いという評判のクリニックで手術を受け、今度は自然で納得の行く仕上がりとなった。決して女優さんのような完璧な鼻になったわけではない。鼻の穴が円から楕円になり、鼻先の丸みがなくなったというだけだ。それでも私にとっては「これでよし!」という気持ちになれる出来だった。(ちなみにプロテーゼと違い、これには今のところ”劣化”がない。)

脂肪吸引はやはり30代で、バレエのレッスンを再開した際、自分の太い脚(太腿の間がなくくっついている)が教室の鏡に映る度に落ち込むようになって決心した。これは在住国で受けたのだが、60万円程度かかったと記憶している。手術の前に医師から「脂肪はある程度取れるが、皮膚がたるんだり、シワになる可能性が高い」と注意されたが、「それでもいいです」と、施術を受けた。この時は、ダウンタイムというか手術後の痛みが半端なく、トイレに行くのも一苦労で「もう二度とやるまい」と心に誓った。(当時は吸引用の管・カニューレも太かったから痛みも強かったのだろう。現在は緩和されているかもしれない。) 結果、太腿の間に隙間ができてすっきりとしたが、少しのたるみとお尻の後ろに段(?)ができてしまった。でもこれでやっと自分的に「許容できる」足となった。

美容整形をする人は、「ある程度整った容姿の人が多い」と言われる。多分「ここさえ直せば、満足できるのに...」という強迫的思考の持ち主なのだろう。私も容姿に関しては、奇妙な完璧主義者だ。気になる箇所が「許せない」という気持ちになってしまうのだ。「ありのままの自分を受け入れよう」「自分の欠点を愛そう」と多数のセルフヘルプの本に書いてある。「まったくもってその通り!」と思うのに、自分自身の”欠点”が許せず、そればかりが気になってしまう(多分それは精神の歪みからくる狭量と異常な拘りだ。)他にも私には、ある意味異常な”拘り”がある:159cmで45キロ以上になるのが「許せない」。白髪を染めないのは「許せない」。二重顎になるのは「許せない」。(自分の)歯並びが悪いのは「許せない」。くだらない拘りだが、しょうがない。

一方、他人の容姿に関してはまぁ寛容だと思う。在住国では太っているのがデフォなので、慣れもある。肥満の人を見ても、「フツーの〇〇人ね」としか思わない。歯並びが悪い人に会っても「あぁ、日本(またはヨーロッパ)の人なのね」と思う程度だ。在住国で忌み嫌われている八重歯も、中学の頃好きだった男子が「八重歯のハンサム」だったので気にならない(黄ばんでいたり、黒ずんでいたり、欠損しているのは嫌だけど)。

自分の「許せない部分」を直す手立てがある、だから美容整形に踏み切るのだ。他人を直そうとは思わないが、自分のことは財力・技術がある限りフィックスしたくなる。結論から言えば私は手術をしてよかった、と感じている。「許せない部分」が消え、それに対して思い煩うことがなくなったから。数百万円(歯列矯正も含め)は、まったく惜しくない出費だった。

さて、私はこれからも美容整形を受け続けていくのか?未来のことは分からないが、多分「プチ整形(ボトックス注射等)」に留まるだろう。容姿が売り物の芸能人ではないし、痛いのは避けたい。年を取ることに伴う劣化は「しょうがない」と受け入れているし。また、何より「ま、これでOK」と感じているからだ。(さて、次回は「整形を繰り返す人」について書きたいと思う。)