暗くてなんぼ

引きこもりや鬱病を経験しても、人生なんとかなるという思いを込めて書きたいと思います。

過食症・ブリミア (その1)

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過食症


「ブリミア (食べ吐き)」が始まったのは、17歳の時だ。祖父の葬儀が終わり、荼毘に付した日だった。夕食を食べた後、「骨上げ」の時に嗅いだ匂いを思い出して、突然気分が悪くなった。みぞおちを押さえても吐けず、指を口の中に入れてやっと吐き出した。その後なぜか、非常にスッキリした気持ちになった。それと共に、そうすれば一度食べたものも吐けるということがわかった。

 

私はその頃まだ「小デブ(158cm 54kg)」状態で、常に痩せたいと思っていた。ダイエットもしたのだが、運動系の部に入っていたこともあり食事を減らすことは難しく、いつも挫折していた。

 

当時、プチ不登校状態で鬱々としていた私の最大の楽しみは、パンやお菓子を食べながらマンガを読むことだった。そこで知ってしまった禁断の「食べても太らない方法」...。それ以来、私は大きなストレスに晒される度に、無茶苦茶に甘いパンやスナック菓子、アイスにチョコなどを食べた後、トイレで吐くようになった。

 

そのうち母は、私のやっていることを悟った様だった。しかし、それが精神的ものとは露知らず、消化器系の病気かと心配していた。当時、私の家族は機能不全気味で、皆で集まって食べるということはほぼ無かった。だから、私は他の家族と食事の時間をずらし、夕食後にお菓子等を好きなだけ食べて、こっそり吐いた(汚い話だが、自分の部屋の中でゴミ箱にビニール袋を入れてその中に吐き、夜更けにトイレに流したりもしていた。)

 

人によっては「吐くなんて、あんな苦しいことをどうして続けられるのか」と訝しく思うだろう。でも、私にとっては、1. 美味しい(カロリーの高い)物を食べる瞬間的な快感、 2.そうしている間だけ忘れられる日々のストレスや不安、3. 吐瀉により「暗い思いを吐き出し、自分を浄めている」様な感覚、4. 太ることの恐怖 (ある意味での醜形恐怖)、この4つが合わさってやめられなくなってしまったのだ。ある種のアディクション(中毒)である。

 

結局この様な倒錯した食べ物との付き合い(いわゆる「摂食障害、ブリミア 」)は40代になるまで治らなかった。